MENU


- メニュー
- お問い合わせ
- 検索
- 目次
- トップへ
発散を促すシソで春の”むずむず”をケアする
三寒四温。厳しい寒さが少しずつゆるみ、春がゆっくりとやってきました。東洋医学で春は「発陳(はっちん)」といいます。発は「発散、発生」、陳は「古いもの」という意味。冬の間にため込んだ古いものを外に出し、新鮮な気を発してのびのびと成長させる季節です。立春を過ぎ、日が長くなってくると、気持ちがなんとなく前向きになってくるのではないかと思います。そんなふうに感じたら、ぜひ、早起きして朝の陽光を浴び、アクティブに一日をスタートさせてください。
さて、そんな気持ちのいい春にも厄介な悩みがあります。それは花粉や黄砂などによるムズムズ、イガイガ。春は、春一番から始まって風がよく吹く季節。くしゃみや痒みなどの不調は、風の邪気である「風邪(ふうじゃ)」によるものなのです。
春に人体を襲う風邪(ふうじゃ)には、軽く高く舞い上がる性質があり、侵入すると顔や頭など体の上部に症状が現れます。また、突然発症したり、症状や患部が移動したりする「動く症状」をもたらすという特徴も。花粉症による突然のくしゃみ・鼻水や、ムズムズ、イガイガする目の痒みは、まさに「上部に現れる動く症状」だと考えることができます。
では、春のムズムズを解消するにはどうすればいいのでしょう。ポイントは温めて発散することにあります。風邪が襲うのは、皮膚や粘膜など体の表面部分。表面にあるうちに発散して追い出してしまうのがいちばんです。しかし、もともと冷え症だったり、冬の冷えをひきずっていたりすると、体表が固く縮こまってうまく発散できません。そこで、薬膳の知恵! 体を適度に温め、発散を助ける食材が春の体をサポートしてくれます。
春のムズムズ対策に取り入れたい食材はシソ。身近な食材ですが、れっきとした漢方生薬のひとつで、漢方では赤ジソを乾燥させたものを「蘇葉(そよう)」といいます。温める性質があり、香りの作用で発散を促すことから、かぜの初期、胃腸虚弱、精神的なストレス(気鬱)などに用いられ「香蘇散」「半夏厚朴湯」などの漢方薬に配合されています。
食養生に取り入れるなら、スーパーで一年中手に入る大葉がおすすめ。ネギ、ショウガと並ぶ日本の代表的な薬味食材は、刻んでトッピングしたり、肉や魚を巻いたりして手軽に食べられるのが魅力です。さわやかな香りには気の巡りをよくする働きもあるので、入学、就職などで環境が変わった人のストレスケアにもよいでしょう。
たっぷりの大葉でつくる昔ながらの「大葉味噌」は、香り豊かなごはんの友。腸内環境を整える発酵食品の味噌との組み合わせは、花粉の季節の強い味方になってくれるでしょう。白いごはんのほか、蒸した野菜や肉にもよく合うので、ぜひお試しを。

お弁当にも重宝な常備菜です。粗熱をとってから冷蔵保存してください。保存の目安は約2週間です。
監修/渡邉賀子先生(帯山中央病院理事長、漢方専門医)
文・レシピ紹介/岡尾知子(「みんなの漢方」理事・国際薬膳師・鍼灸師)
岡尾知子理事の著書『はじめての薬膳生活』『からだがよろこぶ野菜の事典と薬膳レシピ』(ともに法研)が好評発売中です。毎日の食事から健康づくりを目指す食養生のヒントに、ぜひお役立てください。

