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「実りの秋」が到来しました。ハウス栽培や養殖技術の発達で食べ物の季節感が薄れてきた現代でも、やはり秋は別格。さまざまなおいしいものが味わえる幸せな季節です。
一方で秋は、心身に不調が起きやすい季節でもあります。特に最近は、厳しく長い残暑からの気候の落差が大きく、「秋バテ」の言葉も一般的になってきました。また、秋独特の花粉や乾燥による肌荒れや喉の痛み・不快感などの症状が出る人も多いようです。それぞれに自分の傾向を知って対策したいものですね。
私の場合は「喉」対策が必須です。風邪は必ず喉の痛みから来て高熱を出すだけに、喉を潤すことを心掛けています。また、感染症に敏感になっている今、人前で咳をするのがはばかられ、咳を我慢する苦しさといったら…。そんな時に助けになるのが、バッグの中にしのばせたのど飴です。
中でもみずみずしそうな果実のイラストが載ったパッケージに安心感を持つ「カリン」ののど飴。皆さんも目にしたことがあると思いますが、「カリン」ってどんな樹木か知っていますか。
カリンはバラ科カリン属の落葉高木で、3月から 5月頃にかけて白や淡い紅色の可憐な花を咲かせ、果実は紅葉する11月頃に黄色に熟す…とのこと。
熟していても、その実は硬くて生で食べることはできず、蜂蜜漬けやカリン酒などして、咳止めや疲労回復のための民間療法的に利用するのが一般的です。そして、のど飴の原料として使われています。
もともと中国から日本へ渡来し薬用にもされてきたカリンですが、果実を生薬として使用する場合は「木瓜」という名前になります。
筋肉をゆるめてけいれんを抑えたり、関節の不調を改善したり、利尿作用や胃腸の機能を整える…などの働きがあるそう。のど飴のイメージが強い「カリン」から「木瓜」へ。植物の力、生薬の奥深さを感じずにはいられません。
◎漢方処方への配合頻度は低く、医療用エキス製剤では使われていませんが、以下のような処方があります。
むくみなどを改善する効果:
貧血などを改善する効果:
頭痛・関節痛などを改善する効果:
監修/渡邉賀子先生(帯山中央病院理事長、漢方専門医)
執筆/坂本ミオ(CSプランニング、医療ライター)